星井町薬局のOTCコーナーのラインナップを少し変えたのでご紹介したいと思います。入り口を入って左側に、ガーゼや風邪薬、低刺激の基礎化粧品などを置いている棚があります。このスペースをOTCコーナーと呼んでいます。OTC医薬品とは、医師の処方がなしに薬局やドラッグストアーで購入できる薬のことで、「薬局のカウンター越しに薬を販売する」=Over The Counterに由来します。
さて、前置きが長くなりましたが、今年から発毛促進剤の「リアップX5・リアップリジェンヌ」と解熱鎮痛剤の「ロキソニンS」の販売を始めました。テレビコマーシャルでも、放送されているためご存じの方も多いのではないでしょうか。この薬は、第一類医薬品という分類の薬で、薬剤師による販売が義務づけられています。そのため、ドラッグストアーで「ただ今薬剤師が不在のため、こちらの薬は販売できません」といったような札がかかっていたりします。その点、星井町薬局では、開局中はずっと薬剤師がいますので「販売できません札」をかけることはありません。使いたい人に大きなメリットがあると思い、取扱いを開始しました。
リアップは発毛促進剤で、壮年性脱毛症に効果があります。有効成分のミノキシジルはもともと血圧を下げる薬として開発されたという面白い経歴を持つ薬です(降圧薬としては使用されていません)。販売メーカーの方にお話しを聞いたところ、1日2回という正しい使い方をしていないため効果を十分に得られていない利用者が多いとのことです。そういったところも薬剤師からしっかり説明させて頂きたいと思います。
1つ残念なことに、星井町薬局のOTCコーナーはスペースが限られているため、ごくごく一部の商品しか取り扱うことしかできません。ドラッグストアーの品ぞろえは雲の上の存在です。小さなスペースですが、少しでも皆様のお役に立てればと思います。
将棋に多少たしなみがあります。小学校でブームになった時期に覚え込みました。今ではほとんど指すことはありませんが日曜午前の対局番組はささやかな楽しみでもあります。将棋と並んで人気の囲碁には疎いですが、井山名人が7冠を達成したことが大きな話題となり特集再編集番組が放送されました。
その一方で3月には囲碁のソフト(人工知能)が5番勝負で世界最強棋士の一人を4勝1敗で破ったことが驚きをもって報じられています。プロ棋士に勝つにはまだ10年かかるだろう、などの人間優位の事前予想が圧倒的だったようです。その一か月後、将棋界でも第一期電王戦という将棋ソフトとトップ棋士との2番勝負でソフトが2連勝しました。将棋においてはソフトがプロ棋士に勝つことはこれまでもあったのですが、今回の内容を知って衝撃を受けました。将棋ソフト「ポナンザ」が定跡にとらわれない独自の手を指せるようになったというのです。人間の感覚では思いつかない手を連発し、検討するプロ棋士達を驚かせました。その具体的な差し手がいくつか記事に紹介されていました。ひらめきや読み、大局観という人間ならではの領域でもソフトが勝ったという見方もでき、更に心の揺れというものがない強みもある。まさに、何ということでしょう、のフレーズがぴったり、末恐ろしくさえ感じました。
勿論人工知能は一般社会に貢献するものとして研究が進められていて、活用される分野も増えてくるのでしょう。しかし極端かもしれませんが、ある時ソフトが暴走して人間を脅かすというSF映画のような展開もひょっとして‥・、と思えてきます。人間が生み出したものに人間が飲み込まれるという事態の無きように。
将棋においても、人間と人工知能とは単に対峙する関係ではなく、対峙しつつも共に発展する関係であって欲しいです。
4月は進学、入学、入社シーズン、気持ちを新たに迎えた方も多いと思います。そういう節目ではないですが今日も出社、がんばって働きます。
世界は違いますが、働きアリに関する興味深い記事があったのでピックアップします。
働かない働きアリとは形容矛盾だが、アリの集団には常にそういう個体が2~3割存在するらしい。なぜか。彼らはむしろ集団に欠かせないのだという。北海道大准教授の長谷川英祐(えいすけ)さんらが先日、英科学誌に論文を発表した▼勤勉なアリだけの集団と怠け者の交じった集団をコンピューターを使った実験で比べると、後者の方が長く生き延びたという内容だ。皆が一斉に働く集団は、一斉に疲れて結局は誰も動けなくなる。卵の世話のような片時も手を離せない仕事もできなくなり、かくて集団は壊滅する▼一方、ふだんサボっているアリは、仲間が疲れて休むと代わりに働く。卵の世話をする。短期的には無用と見える個体が、長期的には実に有用なのだ。実際のアリの集団でも、怠け者のアリが同輩の仕事をカバーする様子が確認できたという (2月23日 朝日新聞天声人語より 途中まで抜粋)
なんというか集団で生きるいきものとしての共通性のようなものを感じました。
働くとは「はた(他)を楽にすること」と聞いたことがありますが、彼らにどうかと尋ねたならば、いずれのアリも「安心してください、働いてますよ」と言える存在なのでしょう。
星井町薬局に勤務するようになって、10度目の年を迎えたことになります。薬局をご利用くださる方々や支えてくださる薬局内外の皆様にあらためて感謝致します。
十年一昔と言うように、この間に変わったことがたくさんありますが、個人的に5つをあげてみます。
●薬局の後方部分の増築(取り扱い医薬品の増加などに対応)
●薬歴が電子化(薬歴の一元管理の向上)
●調剤支援システムや調剤機器の新規導入(調剤の正確性向上、待ち時間の短縮)
その時々の嬉しかったり苦労したりした様子が頭に浮かんできます。
そしてそれらを使いこなす
●スタッフの拡充
現在14名が在籍しています。それぞれ違った得意分野を持ったスタッフが、連携して業務にあたっています。一同、皆さんの健康増進にお役にたてるよう変わらぬ努力を続けていきたいと思います。
最後に
●ブログデビュー
いつまで続くか不明なところもありますが、分野は問わずこれはと思ったこと、経験したことなど、気ままに情報を発信していきたいと思います。